甲殻類の一種であるウミホタルの発光作用を利用し、透過性の高い近赤外線を出すたんぱく質の開発に、産業技術総合研究所北海道センター(札幌市)の近江谷克裕主幹研究員らの研究グループが成功した。
これを体内に投与すれば、見つけにくい部位のがんを、放射線などを使わなくても見つけることが可能になる。7日の米科学アカデミー紀要に掲載された。
北海道大学との共同研究。研究グループは、ウミホタルが持つ発光触媒「ウミホタルルシフェラーゼ」に、波長が長く、体内の組織を通過しやすい近赤外線を出す色素を導入し、発光たんぱく質をつくった。
これをがん細胞を攻撃する抗体と結合して、発がんしたマウスに投与、特殊なカメラで観察したところ、微小ながん細胞の位置を特定できたという。
体を切除しないでがん細胞を確認するには、大規模な機器・施設や、外部からの放射線、紫外線の照射が必要だった。
今回開発した発光たんぱく質を使った方法では、こうしたことが不要で、研究グループは「がん細胞の位置を特定する手法が多様化するだけでなく、治療薬の開発などにも応用できる」としている。